都構想法定協資料による「再編効果」の検証について


都構想法定協資料による「再編効果」の検証について

2015/3/5

 

再編効果内訳(単位:億円)                      第17回法定協資料より

H29

H30

H31

H32

H33

H34

H35

H36

H37

H38

H39

H40

H

41

H42

H43

H44

H

45

AB項目

11

10

11

27

27

28

29

29

30

28

28

28

29

30

30

30

30

435

行革プラン

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

85

職員体制

5

4

2

1

1

2

3

4

5

7

8

10

11

12

13

13

14

91

小計

11

11

14

31

33

35

37

38

40

40

41

43

45

47

48

48

49

611

湾岸

AB項目

6

6

6

15

15

16

16

16

16

15

15

16

16

16

16

17

17

240

行革プラン

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

2

34

職員体制

4

3

1

1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

8

9

9

10

63

小計

4

5

7

16

17

19

20

21

22

22

23

25

26

26

27

28

29

337

AB項目

10

10

10

25

25

26

27

27

27

26

26

26

27

28

28

28

28

404

行革プラン

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

85

職員体制

5

3

2

1

1

2

3

4

6

7

8

10

11

12

12

13

14

92

小計

10

12

13

29

31

33

35

36

38

38

39

41

43

45

45

46

47

581

AB項目

12

12

12

30

30

31

32

32

33

31

31

31

32

33

33

34

34

483

行革プラン

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

5

85

職員体制

6

4

2

1

1

2

3

5

6

8

10

12

13

14

15

16

17

109

小計

11

13

15

34

36

38

40

42

44

44

46

48

50

52

53

55

56

677

中央

AB項目

7

7

7

18

18

19

19

19

19

18

18

19

19

20

20

20

20

287

行革プラン

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

4

68

職員体制

5

4

2

1

0

1

2

3

4

5

7

8

9

9

10

11

12

69

小計

6

7

9

21

22

24

25

26

27

27

29

31

32

33

34

35

36

424

合計

42

48

58

131

139

149

157

163

171

171

178

188

196

203

207

212

217

2,630

A

経営形態の見直しを検討する事業(地下鉄、バス、水道、一般廃棄物、消防、病院、港湾、大学、公営住宅、文化施設、市場、下水道)

5区のH46時点の

AB効果計

129

B

府市で類似・重複しているサービス(青少年施設、障がい者スポーツセンター、産業創造館、クレオ大坂、工業研究所、産業科学研究所、図書館、体育館、キツズブラザ、大阪プール、市立高校、特別支援学校、こころの健康センター、大阪港埠頭、博物館協会、信用保証協会等々)

AB項目

29~H45

1,849

行革プラン

357

職員削減

424

大阪府

AB項目

13

16

17

18

18

18

18

18

18

18

18

18

18

18

18

18

18

298

行革プラン

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

0

職員体制

10

13

15

17

19

21

23

25

28

30

33

35

37

38

38

38

38

458

小計

23

29

32

35

37

39

41

43

46

48

51

53

55

56

56

56

56

756

大阪府と5区計のH45時点での

AB効果計

147

大阪府と5区計のH46時点での

行革効果計

21

168

 

 

 

例 H45のAB項目の内訳

 

北区 A44.5  B0.5  交付税減額:▲ 15

※大阪市が消滅することで、交付税は府のみ対象となり、税収が増えるので交付税は府市の時より減額される⇒交付税減額

 

湾岸区 A24.7  B0.3  交付税減額:▲  8

 

東区 A41.6  B0.4  交付税減額:▲ 14

 

南区 A49.5  B0.5  交付税減額:▲ 16

 

中央区 A29.7  B0.3  交付税減額:▲ 10

 

45時点でのAB内訳市計(単位:億円)

A190  B:2   交付税減額:▲ 63

 

※この190億円のうち

地下鉄: 88

一般廃棄物: 82

病院経営: 13

バス: 3

計:186

 

 

大阪府 A26.8  B1.2  交付税減額:▲ 10

 

45時点でのAB内訳市計(単位:億円)

A217  B3.2  交付税減額:-73

 

※この216.8億円のうち

地下鉄:107

一般廃棄物: 82

病院経営: 20

バス: 3

計:212

 

 

行革プラン

市民交流センター管理運営、老人福祉センター委託化、子育て活動支援事業、スポーツセンター管理、プール管理、教育相談事業

 

 

職員体制

人員削減、再任用  ※再任用の占める割合は数%、ほとんど人員削減による。

 

 

17回法定協資料にみる大阪市削減計画による削減人員と2033年度削減予定額

 

2014(H26)

大阪市職員数

都構想での職員配分

2033(H45)年計画職員数

(20142033)

2033年度

削減効果額

14,933

大阪府への移管

2,105

1,381

削減数  ▲724

38(43)億円

特別区等への移管

12,828

10,892

削減数 ▲1,936

67(98)億円

削減人員・削減額合計

2,660

105億円

 

2014年職員数は 既削減176人 経営形態変更5,675人 除く

※特別区等には一部事務組合の職員含む 法定協資料では一部事務組合職員は360人を想定。

※削減効果額の( )内数字は、「粗い試算」の既出分(都構想の効果とみなされないもの)も含めた額

 

 

 

考察

維新の会は、「大阪都になると再編効果は3,386億円」としている。この数字は、法定協資料の2033年までの17年間で大阪市2630億円、府756億円で合計3386億円となることを言っている。法定協では、再編効果の説明を、都合よく最も効果が現れる2033(45)時点単年度の数字で行っている。であれば、その年度のウソを暴くことで再編効果のウソは暴ける。

2033年単年度の効果額 273億円(上の表の2033(45)年の特別区217億円+府56億円の合計)の内訳

 

AB効果額 147億円(民営化等の効果額216.8億円+いわゆる二重行政と主張する効果額3.2億円-交付税減額分73億円)

・効果額216.8億円のうち、地下鉄民営化で107億円と半分を占め、バス民営化、一般廃棄物民

営化、病院統合経営合理化で計212億と、98%占める。都構想とは無縁の民営化等がAB

果額のすべてと言って良い。

・ちなみに、二重行政といわれる効果額は、試算ではたったの3.2億円に過ぎない。「二重行

政の解消」でムダをなくすと最大の目玉がこの数字だ。しかも、これも、都構想でないとでき

ないことではない。

 

②行革プラン  21億円

大阪市行革プランにそって実行される予定の削減計画を見積もっただけで、大阪市として実施し

ようとしている予定のもので都構想の効果とは言えない。

 

③職員削減   105億円

大阪府への移管や一部事務組合への移管職員は都構想の「効果」といえるかもしれないが、基本

的に2,660人の職員削減計画によるもの。特別区で1,936人の削減は一部事務組合移管も含まれ

るにしても、これだけの大人員合理化は住民サービスの低下を招かざるをえない。

 

以上から、仮に③の職員削減や「二重行政」(項目)をまるまる認めたとしても、その額は合計108.2億円。そこから2033(45)年度の大阪府市の再編コスト45億円(特別区計39億円、府億円~法定協資料)を引くと、63.2億円のみ。そして、それは大半が都構想でなく職員リストラ効果なのだ。その意味で、再編効果は全くないといって良い。さらに職員リストラがなければ、大阪府への職員移管38億円+アルファ(事務組合分)項目3.2億円で、再編コストを考慮すると、ほとんど効果額はゼロかマイナスになる。

維新の3386億円は、都構想そのものからでは説明できない代物で、苦し紛れに「民営化は都構想の重点です」(維新の会Q&A)としか反論できない、まさにペテンの効果額なのだ。

 


ダウンロード
都構想法定協資料による「再編効果」の検証について.pdf
PDFファイル 1.6 MB